翌朝、誰かがドアをノックするのであけると彼が眠そうな顔で立っていた。
部屋に招き入れると彼はバックパックを背負い「旅行行こうぜ」といった。こうして旅行が始まった。
そうして、その十分後、僕らはバスセンターにいき、さらに十五分後広州行きのバスに乗った。バスの中彼は爆睡し、またしても旅程を話す機会を逃した。2時間後、バスは広州火車場に隣接する長距離バスステーションについた。そこから地下鉄に乗り本日の目的地である沙面へと向かった。
沙面は広州料理で有名な広州市にかつてあった外国人居住区で、そのコロニアル調の町並みは現在でも保存され高級住宅街として残っている。瀟洒な作りのレストランやブティックもあり、その美しい町並みは結婚式の写真撮影や観光地としても知られている。
そんな中僕らが向かうところはバックパッカーの基本、ユースホステル。
泊まるはもちろんドミトリーだ。このユースホステルは高級住宅街にあるので値段も高くドミといえど一泊30元(450円)ほど。
チェックインを済まし、さっそくあたりを散策しようかということになって沙面の街をぶらつく。
歩いていると中国茶館を見つけたので入ってみる。壁一面に茶器やお茶が並べられている。さすが沙面にある茶館だけあってすばらしい品揃えである。お茶も茶器も一品がそろっている。特に茶器はただ高いだけでなくセンスのいい物がそろっていてずっと茶器を眺めながら、時々お茶を入れてもらいながら過ごした。何ともいい気分になってきてしまったので60年代の特級散茶を50gと緑茶を買って店を出た。今回の旅の友にはちょっと贅沢だっただろうか。